こんにちは、かずMRです!
今回は、現役小児科医・今西洋介先生の著書
『医師が本当に伝えたい 12歳までの育児の真実』を読み、
父親として、そして医療業界にいるMRとして、深く心を動かされた部分をまとめました。
著者プロフィール:今西洋介(いまにし ようすけ)先生
小児科医として現場で子どもと向き合いながら、X(旧Twitter)では「ふらいと先生」の名前で、育児や医療に関する情報を日々発信。フォロワーは14万人を超え、親御さんたちから厚い支持を集めています。
医療の専門知識をわかりやすく伝えるやさしい語り口と、「親の気持ちに寄り添う姿勢」が大きな魅力。
書籍でも、医学的な裏づけを大切にしながら、子育て中の不安にそっと寄り添うような言葉が詰まっていました。
医師としてだけではなく、3人の娘さん父としての目線も非常に参考になります。
この本の魅力:エビデンスに基づいた「育児の再定義」
SNSや育児雑誌、ママ友同士の会話に溢れる子育て情報。
でも、それって本当に正しいの?
MRをやっている我々は、どうしても「それエビデンスあんの?」って考えちゃいますよね。
そんな不安や疑問に対して、「科学的根拠(エビデンス)をもとに考える」育児書がこの一冊です。
テーマは多岐に渡り、
- ネントレ、早期教育、ワクチン、副反応
- 母性神話と父親の育児参加
- 転園や無痛分娩の影響
- さらには性教育や小児の医療、終末期ケアまで
どれも「感情論」ではなく「研究データ」に裏付けされた内容で構成されていて、
子育てをするすべての親にとって、信頼できる指針になります。
特に、いつも先生にエビデンスの話をしているMRの皆さんには腑に落ちやすいのではないでしょうか。
0歳〜5歳の真実:「続けられる環境」が大切
第一章の中で、「子供を預ける時間が長くなっても大丈夫?-幼児教育の将来への影響」のページが非常に私の興味を引きました。
なぜなら、私の家庭は妻が専業主婦なので、子供が保育のお世話になるのは4歳以降の幼稚園からになるんですよね。
しかし、周りは共働き世帯も多く早くから保育園に通わせる人が多いように思います。
その状況下で、「早くから保育園に通っている子は、遅くから園に通う子より学力が優れている」という巷の情報を聞いたことがあたので、正直本当なんだろうかと気になっていました。
本書からの引用で
低所得層やマイノリティの家庭の子供を対象とした研究になりますが、幼稚園終了時あるいは小学校入学時といった短期的な学力を評価した報告では、全日制で過ごした子供のほうが半日製で過ごした子供より算数やリーディングの成績が優位に高いという結果でした。
また学業だけでなく、他社との協力したり遊んだりする能力の向上を示す研究もありました。
ああ、やっぱりそうかと読み進めると、
さらに、小学校入学以降の長期的な学力を評価した報告では、なんと「小学3年生までにこの効果は消失してしまう」という結果になりました。
つまり、“早期教育”の効果は思ったより持続しないということ。
それよりも、親子の関係や生活環境を「いかに無理なく長く続けられるか」が鍵だと痛感しました。
こういったエビデンスをもとに育児の話を聞くとすごく安心できますし、
抱えていたモヤモヤも解消されました。
ソーシャルキャピタル(社会的つながり)
また、ソーシャルキャピタル(社会的つながり)に関しても、
- 信頼できる人が身近にいる母親ほど、虐待率が低く、子の発達も良好
- ただし同調圧力というリスクもある
といった多面的な視点が印象的でした。
どうしても、こういった育児書ではメリットばかりつらつらと書かれていることが多いですが、
どの項目でもメリット・デメリットの両側から書いてくれています。
そして、「友人や家族の“数”ではなく“質”が大切」という言葉に深く共感しました。
30年以上生きてきて、人間関係の量より質を体感しています。
また、転勤族であるMRにとってもこの視点は非常に重要だと感じます。
自分は会社の人と多く接しているので問題ないのですが、
妻や家族は転勤についてくると最初はどうしても孤独になりがちですからね。
人間関係ができるまで、家族がしっかり寄り添ってあげるべきですね。
転園の頻度による影響は?
この章も、私がずっと疑念に思っていた部分でした。
なぜなら、私自身も3回の転園と4回の転校を経験した過去があったので、
「転園の影響はどうなのか?」という章は、
私自身にどのような影響を与えたのか知りたかったのです。
1つ目は、子供の中でも個人差が大きい
2つ目は、保育の質が担保できていれば、環境の変更による影響は無視できるほど小さくなる
この視点は、転勤族である私たち父親にとって大きな安心感を与えてくれました。
しかし、気になる部分としては、
一方で、非常に頻繁な養育者の変更(例えば、年に複数回の変更があるなど)は、一定の安定機関を挟んで時々変更する場合と比較して、子供の発達に悪影響を与える可能性が高くなります。
そりゃそうですよね。
親だって環境が変わればストレスがたまるんですから、
小さい子はなおさらです。
転勤族である我々は、上司にできるだけ状況を伝え、
短期間で頻回な転勤とならないよう戦略的に立ち回る必要もありますね。
母性神話と父親の役割:父親も主役になっていい
この章では、
「母性はあるもの」
「母親なら自然と愛情が湧くもの」
そんな“神話”に苦しめられている母親は少なくないと知りました。
この章では、
母性愛の神話化は、家庭から父親の存在を消してしまう
という一文が特に印象的でした。
MRって、働き方の自由度はかなりありますよね
だからこそ、父親として子育てを「支える」だけでなく「担う」ことも十分可能だとおもうんですよ。
母性愛の神話を信じるのではなく、”父性”の可能性を私は信じたいです。
無痛分娩の“本当のリスク”もエビデンスで語る
無痛分娩についても、
こうした点も「○○が怖い」ではなく、
きちんと文献を引用しつつ中立的に語られています。
実際に、妻も無痛分娩を検討してました。(夜間に生まれたので、結局自然分娩になりましたが)
ネットで調べると、注目が集まるように過激なことがたくさん書き込まれていて、
何を信じればよいのかわからなくなりました。
そういった中で、医師がしっかりとエビデンスを提示して方向性を示していただけると、
本当に助かりますよね。
教育・性加害・終末期まで…視野が広がる一冊
ほかにも、
- モンテッソーリ教育の根拠
- 小児の性被害
- 新生児医療と終末期ケアの現実
- 親の価値観が子に与える影響
など、私自身あまり見ないようなテーマにも深く切り込んでおり、
今健康であることの奇跡や、子どもを守る責任を改めて考えさせられました。
忙しい医師が語る「良い父親」とは?
著者・今西先生が最後に綴った一文も胸に残っています。
「仕事で成功することも大事ですが、家庭との時間を大切にすることも同じように重要だと思うようになった」
MRとして、忙しさにかまけて“仕事=正義”と錯覚しそうになる自分にとって、
この言葉は“育児と仕事のバランス”を見直すきっかけになりました。
まとめ|“科学の目線”があるだけで育児はラクになる
この本の最大の魅力は、「科学的根拠で考える」ことが親の不安を軽くしてくれるという点です。
- SNSでは不安だけが膨らんでいく
- けれど、この本では「本当に大切なこと」を静かに示してくれる
MRとして、そして1人の父親として、
「子育てに正解はない」と思っていたけど、
「より良い選択」はエビデンスの積み重ねの中にあると気づかされました。
でも、著者の先生も最後に記載されていますが、
この本も、どうしても著者のバイアスがかかってしまうんですよね。
数多くあるエビデンスの中で、情報の信頼性ももちろん重要ですが、
どれを活用して、
何を大事にするのか。
それが子育てにとって一番重要な”核”なのではないでしょうか。
では、また!!
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