【現役MRが解説】学会参加の完全ガイド|準備・当日・報告まで徹底解説

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こんにちは、かずMRです。

つい先日、後輩から

後輩MR

初めて学会に参加するのですが、何をどうすればよいのわからなくて不安です

と相談されました。

今では、学会は楽しみながら参加できていますが私も若手のころを思い出すと初めての学会は自分が何をしているのかよくわからずいつの間にか終わっていました。

そんなあの頃の自分や後輩に向けて今回は、学会に参加する上での”心構え→準備→当日→報告”までを一本の導線で解説します。

新人さんのチェックリストとして、ベテランのアップデート用として、ぜひご覧ください。


目次

学会に臨む「3つの心構え」

1.敬意ファースト

学会は先生方にとって研究の発表・議論の場。
MRが空気を緩めないことが信頼の第一歩です。

たまに、営業モード全開で会場前で先生を待ち伏せしてガンガン話しかけているMRがいますが、
節度を持って参加しましょう。

学会の主役は先生たちですからね。

2.会社に何を持ち帰るのか

おそらくほとんどのMRは会社から学会参加費用を出してもらっていると思います。
「会社や社員のためになる情報を持って帰る」これを意識して準備から当日を迎えると最高のパフォーマンスを発揮できると思います。
いつまでも旅行気分じゃ駄目ですよ。

3.一次情報に触れる喜びを

学会の価値は、一次情報に直接触れて持ち帰れることに尽きます。スクリーンに出た数値だけでなく、

  • 演者がどこを強調したか
  • 質疑で何が揺れたか
  • 聴講者の反応は

こういった1次情報に触れることは現在のネット社会ではより重要性が増しているように感じます。

SNSの要約は便利ですが解釈が混ざりやすいので、
学会に参加して、改めて一次情報に触れられる喜びをかみしめてください。


事前準備:逆算タイムライン


① 数か月前〜:情報収集とアップデートチェック

まずは、学会公式サイトを定期的にチェック。
テーマや日程変更・プログラム更新など、数か月前から動き始めるのが理想です。

🔍 更新チェックのコツ

学会サイトの「お知らせ」や「抄録募集ページ」にRSSがある場合は、RSSリーダーで更新を自動通知できます。
おすすめアプリ:

  • Feedly(ブラウザ・スマホ両対応)
  • Inoreader
  • SmartNews(RSS登録機能あり)

使い方例(Feedlyの場合):Feedly / Create Account👈登録サイト

  1. 学会サイトのURLをコピー
  2. Feedlyの検索バーに貼り付け
  3. 「Follow」ボタンを押して登録
    → 更新があれば自動で通知されます!

これで「やべ!登録締め切られてた!!」なんて悲劇は回避できます。

ホテルの予約も忘れずに!

これは先延ばしにしがちなのですが、学会参加する際のホテル確保はできるだけ早くしてしまいましょう。
学会で会場周辺ホテルは即座に埋まってしまいますので、参加が決まった時点で即申し込みをしましょう。

過去に予約を忘れておりせっかくの学会参加前日をカプセルホテルで過ごしたことも

② 抄録集チェック:全体像をつかむ

学会の抄録集やテーマが公開されたら、まずはざっと目を通します。
PDFでダウンロードできる場合は、”Ctrl+F(検索)”で自分や営業所メンバーの担当医をチェック。

やることリスト

  • 担当施設・先生の演題をピックアップ
  • 営業所メンバーにも共有し、「聞いてきてほしい演題」をヒアリング
    → チーム全体の“貢献度MAX”!

③上級者向け:抄録集“完全読み込み”

時間が取れる方は、抄録集をすべて読むのがおすすめ。
一見大変ですが、これをやると…

  • 今の領域で“何が主流・注目”なのかが見えてくる
  • 講演会企画のアイデアが浮かびやすくなる
  • 自社製品の強み・課題を客観的に整理できる

抄録集を全部読むと、企画会議での発言の“深み”が一段違ってきます

④モーニング・ランチョン・イブニングセミナーを予約!

忘れがちですが、モーニング・ランチョン・イブニングセミナーの事前予約が必要な場合があります。
席数に限りがあるため、公開と同時に予約するのがおすすめです。

普段なかなか聞けない競合製品の講演を直接聞ける、またとないチャンスだね!

お…、なかなか鋭いな

競合他社の戦略やデータ発表をリアルで体感することで、
「なぜ先生がその薬を選ぶのか」への理解が一段深まります。

※追記(先生からのご意見を受けて):
「学会は先生方が主役であり、MRは空席があれば参加する程度に」という声もいただきました。
業務との兼ね合いもあり、すべてその通りにするのは難しい部分もありますが、そうした配慮の姿勢を常に意識することはMRとしてとても大切だと感じます。

⑤ 学会前の先生アプローチ

数週間前になったら、参加予定の先生に「学会テーマ」について話題を振ってみましょう。

「今回の学会、○○領域のセッションかなり増えましたね」

「先生のご専門テーマも取り上げられていましたよ」

こんな一言から、先生が当日どこにいるか・どの演題を気にしているかが分かります。
仲の良い先生からは「当日会いましょう」といった嬉しい展開も!

KOL担当の方は、先生の当日スケジュールをマーケやMSLに共有し、
現地で同行・挨拶の調整をしておくとスマートです。


⑥ 1週間前〜:当日の動線と台本準備

学会1週間前になったら、当日の動き方を具体化しましょう。

✅ 準備ポイント

  • 抄録集を印刷し、参加予定セッションにマーカーを引く
  • 会場マップにルートを書き込み、「移動導線」を最適化
  • 優先度リストを作成(A:必須、B:余裕あれば、C:資料頼み)

⑦前日:デバイスと服装の確認

前日は持ち物・デバイス準備を忘れずに!

💻 持ち物チェックリスト

  • 学会アプリ(ある場合は事前DL)
  • モバイルバッテリー(Anker製など信頼性重視)
  • オフラインメモ環境(Notion / OneNote / PowerPoint)
  • 名刺、筆記具、PC充電ケーブル

こちらは私が学会に持ち歩いている愛用モバイルバッテリー

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👔服装は?

学会は、医師にとって研究発表の“舞台”であり、
MRにとっても信頼を見せる場です。

リラックスは大事ですが、「立派な仕事」であることを忘れず、
どんな先生に会っても恥ずかしくない格好(できればスーツ)で臨みましょう。
バックは、長時間歩くのでリュックのほうがおすすめです。

当日の動き:時系列オペレーションは?


学会当日――。
前日までに準備を整えていても、現場では“段取り力”がすべて。
ここでは、私がいつも意識している 「時系列での動き方」をまとめました。


🕕 朝イチ:会場入り〜最初のセッションまで

⏰ 30分前には到着!

初日は必ず “開始30分前” に会場入りするのがおすすめです。
慣れない会場では迷子になることもしばしば。早めに到着して、
受付→名札受け取り→ブースやセッション会場の位置を確認しておくと安心です。

私はまず「会場全体マップ」を軽く散歩がてらに一周しておきます。導線が頭に入るとストレスが全然違う!

📸 会場の雰囲気を写真に残す

撮影可能エリアでは、雰囲気を伝える写真を数枚残しておきましょう。
後日の社内報告資料やレポートで使うと「現場感」が出ます。
(※撮影禁止マークがある場所では絶対に撮影NG!

🪑 メモの取り方は?

基本的に学会は発表内容の写真撮影が禁止されていることが多いです。
海外の有名学会では写真撮影OKのところが多いので、SNSでも盛り上がることができるのですが、
そういう意味でも今後日本も写真撮影OKになっていくんでしょうかね?

写真が撮れないとなると、あとはしっかりメモを取るしか方法がありません。
私は1講演=1スライドにまとめるようにしていました。

🗒 メモ例

口演O-123|演者:XX
・一次EP:PFS HR0.78(95%CI 0.64–0.95)p=0.01【黒】
・サブグループ:高齢者で効果減弱傾向【青】
・〇〇先生に安全性資料+施設内データ抽出相談【赤】

🖋 メモ術:3色メモで再現性を上げる

黒・青・赤で分けて書くことで、あとから見返しやすくなります。

内容
事実(デザイン・症例数・HR・副作用率など)PFS HR0.78(95%CI 0.64–0.95)p=0.01
文脈(演者の強調点や質疑のニュアンス)高齢者で効果減弱傾向あり
質問は~が出ていた
示唆/ToDo〇〇先生に次回このテーマで話してみる

🧃 展示・ポスター会場を活用

休憩中はぜひ展示・ポスター会場へ行ってみましょう。
製薬企業だけでなく、デバイスやAIベンダーなど多様な出展があり、
現場でしか聞けない一次情報の宝庫です。

  • 無料のコーヒーや軽食を提供しているブースも多数
  • 担当の先生のポスター発表は要チェック(症例・使用経験の生情報が得られる)
  • 自社・競合ブースともに「表現の違い」を観察(出典・トーン・データ強調点)

正直、きれいなコンパニオンさんを見るのも楽しみのひとつ(笑)

先輩サイテー(怒)

ははっ…冗談だよ、冗談。

🍱 ランチョン・イブニングセミナー:戦略の時間

モーニング/ランチョン/イブニングセミナーは、
普段聞けない競合情報を得られる絶好のチャンス。
ここは単なる“聴講の場”ではなく、企画者としての目線を鍛える時間です。

セミナー中にぜひ以下のことを考えながら聞いてみてください。

  • 他社のセミナーを聞いて自分の講演会企画に転用することはできる?
  • 他社の視点から自社の製品を見てみる
  • 座長と演者の組み合わせや関係性は?
  • 質疑応答ではどんなことが出た?

私は競合とは関係ないセッションもたまに聞きます。

“転職活動の一環”として視野を広げるつもりで(笑)

おいおい…

🌇 夕刻〜閉場後:まとめと翌日準備

1日の終わりに10分だけ時間を取り、空きスペースで当日メモを整理
記憶の新しいうちにまとめると後が楽ですからね

💡 私のルーティン

  1. 当日演題の要点を1講演=1スライド枚にまとめる(社内報告用)
  2. 速報メモを営業所メンバーに送信
  3. 夜は同僚との“学会打ち上げ”で一息 🍻

学会後の同僚や知り合いとの飲み会が一番楽しかったりするね♪

先生たちも居酒屋に一気に流れていきますね!
お店も早めに予約しておかなくっちゃですね!

学会後:参加で終わらせず、価値を「返す」

学会は、参加して終わりではありません。
どれだけ“持ち帰って返せるか”――ここからが本番です。

①まずはフィードバックを最優先で

事前に営業所メンバーと「聞いてきてほしい講演」を共有していたと思います。
学会が終わったら、まずはその内容をそれぞれに即フィードバックしましょう。

「O-123のセッション、先生が注目していた○○のデータが出てました!」
「あの演者が□□を強調していて、今後の活動にも使えそうです」

このひと手間だけで、メンバーからの信頼度は一気に上がります。
自分が代表して学会に“行ってきて良かった”と思われる報告ができるかどうかで、次のチャンスにもつながります。


正直、報告を早く返すだけで「すごく助かった!」って言われることが多いです。

スピードは”誠意”です。

②報告書ではなく、「報告会」を自ら企画する

多くの会社に“学会参加報告書”フォーマットがあると思います。
でも…あれを提出して終わりにしていませんか?

はっきり言って、フォーマット報告は誰の学びにもならないです。

学会後は、ぜひ自ら報告会を企画してみてください。

  • 聞いた演題の中から「現場に活かせる示唆」を抜粋
  • スライド3〜5枚でOK。自分の言葉で整理して発表
  • 質疑タイムを設けて、みんなで議論できる場にする

これをやるだけで、学会が“会社全体の学び”に変わります。


正直、報告会をやると「自分が一番勉強になった」と感じます。

アウトプットして初めて、学会参加が“自分の血肉”になる。

③学会参加の“本当の価値”は「行動変化」

報告を通じて、先生への提案・講演企画・資料準備――
日々の活動の中で“自分の行動”が変わっていくのが理想です。

学会参加=行動変化のきっかけ。

フィードバックして終わりではなく、
次のアクションをどう変えていくかまで落とし込むと、
学会が「自分を変えるきっかけ」に変わります。

先生と学会の話をしてみよう!

学会が終わったら、それっきりにせず——
学会の話題をきっかけに先生と会話してみましょう。

「情報提供」ではなく、「共有・共感」が目的。
同じテーマを見聞きした“仲間”として話すことで、
先生との距離が自然に近づきます。

🎯 話しかけのきっかけ例

「〇〇学会で△△先生の発表、見られました?」
「〇〇製品のセッション、すごく話題になってましたね!」
「〇〇のサブ解析、先生が前におっしゃってたテーマそのままでしたよ!」

大事なのは、“評論家”ではなく“共感者”として話すこと。
「どんな結果だったか」よりも、「どう感じたか・どう活かせそうか」で盛り上がります。

まとめ:学会は“情報収集”ではなく“価値創出”の場

学会は、

  • 新しい知識を吸収する場であり、
  • 先生との信頼を深める場であり、
  • 社内に還元し、自分自身を成長させる場。

つまり、“学会に行くこと”が目的ではなく、“どう使うか”がすべてです。

事前準備で差がつき、
当日の観察で気づきが生まれ、
報告と対話でその価値が何倍にも膨らみます。

“誰に、何を返せるか”を考えながら動くと、

学会は毎回、自分のキャリアを押し上げてくれる場になります。


💡 最後に

学会は、あなたの“次の一歩”を生み出す最高のステージです。

一次情報に触れ、先生と語り、仲間と共有する。
その積み重ねが、MRとしての「顔」をつくる。

今回の内容が少しでも皆さんのMR活動の参考になればうれしいです!
では、また!

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コメント

コメント一覧 (2件)

  • 参考になりました。
    学会の主役が先生なら、MRは共催セミナーの事前予約は控えておいて当日枠に余裕があるなら参加してみる等配慮があってもいいと思いました。

    • コメントありがとうございます。
      ご指摘のように先生方への配慮はとても大切ですね。
      いただいたコメントに気づきを与えていただきましたので、記事にも追記させていただきました。
      ご指摘ありがとうございました。

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