大学病院担当MRの苦悩。昔の自分は、何もわかっていなかった

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こんにちは、かずMRです。

今回の記事では、大学病院担当MRの苦悩について書いてみようと思います。

私は28歳のときに、初めて大学病院を担当させてもらいました。
そして今、30代半ばになった現在も、大学病院をメインに担当しています。

大学病院担当と聞くと、皆さんはどんなことを想像するでしょうか。

Xなどを見ていると、

  • 大学を担当しているから天狗になっている
  • 偉そう
  • 旅行代理店みたいな仕事をしている
  • 大したことはしていない
  • 開業医担当のほうがよほど大変

そんな厳しい意見を目にすることがあります。

実は、昔の私も少し似たようなことを思っていました。

開業医や市中病院を担当していた頃、
大変な行事や講演会の招聘活動はいつも自分たちがやっているのに、
「なぜ大学担当の先輩はあんなに偉そうなんだろう」
と腹を立てていたこともあります。

でも今ならこう思うんですよね。

あの頃の自分は、何もわかっていなかったと思います。
先輩たちが抱えていた苦悩を、ぜんぜん理解できていなかったなと。

私もまだまだ若輩者です。
それでも、昔見ていた先輩たちと同じくらいの年齢になってきた今、大学病院を担当して初めて気づいたことがたくさんあります。

今回は、その一部をまとめてみようと思います。


目次

1.病院内の人間関係を読むのが、とにかく難しい

大学病院を担当し始めて、まず感じたのが
病院内の人間関係の把握の難しさです。

大学病院には教授、准教授、講師などがいて、表面的には序列がはっきりしています。

でも、実際に難しいのはその先です。

  • その序列が本当に機能しているのか
  • 誰と誰の仲が良いのか、悪いのか
  • 他の科の先生からどう見られているのか
  • 科同士の関係性はどうなのか

こうした見えない力学を理解しながら、
“失敗しない確率の高いアクション”を選び続けなければなりません。

実際、

「あの先生がこんなことを言っていて…」
「は?おまえ、○○先生のところ先に行ったのか」

こんなことになることもあります。

大学病院担当に必要なのは、単なる製品知識や情報提供力だけではないんですね。
人間関係の温度差や地雷を察知する力が本当に重要です。

これは正直、経験しないとわからない世界だと思います。

私は、これまで数えきれないほど地雷を踏んできて学びました。

地雷を踏んだらどうなるの?

厳しい先生だと出禁…。


Oh…

2.大学で失敗すると、そのエリア全体に影響する

2つ目は、失敗できないプレッシャーです。

新薬や新しいレジメンが出てきたとき、
そのプレッシャーはまず大学病院担当者にのしかかります。

なぜなら、大学病院での評価や採用は、周辺施設にも大きく影響するからです。

もし大学病院で採用されなければ、
周辺の病院や開業医の先生方も警戒して、なかなか使ってくれないことがあります。

つまり、

大学病院で採用されない = そのエリアでのローンチが失敗する

そう言っても大げさではありません。

しかも、ローンチ前は情報が極端に少ない。
まだ発売されていない製品や、承認されたばかりのレジメンについて、
「本当に先生に使ってもらえるのか」なんて、正直誰にもわかりません。

だからこそ、自分で海外文献を読んだり、関連情報を集めたり、
事前に仮説を立てながら準備していくわけです。

でも、その仮説が本当に当たるかは誰にもわからない。

そんな中で、

  • どの先生に
  • どの順番で
  • どんな切り口で
  • どこまで話すか

を考えて動いていく。

このプレッシャーは、実際に担当した人にしかわからないものかもしれません。

私自身、今でも新製品や新レジメンのローンチは怖いです。


3.講演会は“勝手にできるもの”ではない

3つ目は、講演会企画の大変さです。

開業医や市中病院を担当していた頃の私は、
完成した講演会の案内状を配って、ひたすら招聘する側でした。

その頃は正直、講演会というものを
「あるのが当たり前」
だと思っていました。

でも実際には、そうではありません。

その会は、大学担当者がゼロから企画して、

  • 主幹の先生と相談し
  • テーマを考え
  • 演者を検討し
  • 社内調整を行い
  • 関係者と日程を合わせ
  • さまざまな承認を取りながら

ようやく形になるものです。

つまり、現場で配っていた1枚の案内状の裏には、
膨大な調整と苦労があります。

自分が企画側に回ってみて初めて、
「あの頃の自分は、ずいぶん軽く見ていたな」
と思いました。

年に十数回も主幹を務めて企画を動かしていく。
これは本当に大変です。

外から見ているだけでは、なかなか伝わらない苦労だと思います。

主幹が年に十数回…?

ああ、自分で数えてみて驚いたよ


4.KOL対応と社内外の板挟みは想像以上に大変

最後は、社内外のステークホルダー対応です。

大学病院には、高い確率でKOLと呼ばれるような影響力の強い医師がいます。

KOLの先生方は、県内だけでなく全国から講演依頼や学会業務を抱えています。
その交渉や調整の窓口になるのが、担当MRです。

首都圏の大学担当MRで有名KOLを担当していると、
年間100件以上の講演依頼業務をさばいていることもあります。

さらに、大学を担当していると社内のステークホルダーとの連携も重要になります。

たとえば、

  • マーケティング
  • MSL
  • 管理職
  • 支店長クラス
  • ときには営業本部長

こうした社内の方々と先生をつなぐ橋渡し役になることもあります。

トラブルなく、気持ちよく、円滑に進めること。
そのためには知識だけでなく、
高い対人調整力と人間関係構築能力が求められます。

だから大学病院担当の方と話していると、
本当に人当たりの良い方が多いなと感じます。

あれは偶然ではなく、
そうでなければ務まらない仕事だからだと思っています。


昔の自分に伝えたい。「見えていない苦労がある」

まだまだ書きたいことはたくさんあります。

でも、これ以上書いていると仕事が嫌いになりそうなので、このあたりでやめておきます。笑

もちろん、大学病院担当には苦労ばかりではありません。

影響力のある先生と仕事ができる面白さもありますし、
大きな仕事を動かしている実感や、やりがいを感じる場面もあります。

一方で、その影響力を自分の力と勘違いして、偉そうになってしまう人がいるのも事実だと思います。
私自身も、そうならないように日々気をつけています。

でも少なくとも、
大学病院担当には大学病院担当なりの苦労がある。

そのことを少しでもわかってもらえたら、
大学担当も、開業医担当も、市中病院担当も、
お互いをもっとサポートし合える関係になれるのではないかと思っています。

今度は逆に、
大学病院担当の良いところ
についても書いてみようかなと思います。

では、また。

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