こんにちは、かずMRです。
今回は、オンコロジーMRの将来性について書いてみようと思います。
MRという職種全体で見ると、正直かなり厳しい時代になってきました。
実際、日本のMR数は減少傾向が続いています。
MR認定センターの2025年版MR白書では、2024年度のMR数は43,646名で、前年から3,073名減少、減少率は6.6%とされています。2014年度には64,657名いたMR数が、10年で大きく減っていることも分かります。
社内を見ても、プライマリー領域のMRはかなり数が減ってきているように感じます。
もちろん、今でも生活習慣病領域は重要です。
高血圧、糖尿病、脂質異常症、心不全、腎臓病など、患者数が多く社会的意義も大きい領域です。
ただ、ここ数年を見ていると、生活習慣病関連の薬はかなり出そろってきた印象もあります。
革新的な薬が次々と出る時代というより、
既存薬との差別化や、細かいポジショニングの中で戦う場面が増えている。
そして新薬の開発ハードルも、年々上がっているように感じます。
では、オンコロジーMRはどうなのか。
私自身、オンコロジーMRになる前にいろいろ調べました。
すると、ネット上にはこんな言葉がたくさん出てきました。
「オンコMRのプライマリー化」
「オンコロジーMRはオワコン」
「オンコMRはつらい」
「勉強量が多すぎる」
「専門性が高すぎてしんどい」
正直、かなり不安になりました。
そんな私がオンコロジーMRになって、気づけば約6年。
実際のところどうだったのか。
今回は、そのリアルをツラツラと書いていこうと思います。

6年か~、君も年取るわけだよね



最近貫禄出てきたなってよく言われるよ…
結論:オンコロジーMRは全然オワコンではない
先に結論から言います。
オンコロジーMRは、全然オワコンではありません。
もちろん、会社や製品によります。
パイプラインが弱い会社もあるし、適応追加が少なく、同じ製品・同じ適応の話を何年も続けるような状況なら、苦しくなるのも事実です。
でも、オンコロジー領域全体で見ると、今でも新しい情報がどんどん出ています。
むしろ、情報のアップデートについていくのが大変なくらいです。
米国FDAのデータを見ると、2024年にCDERが承認した新規医薬品は50品目あり、そのうちOffice of Oncologic Diseasesは17の新規がん治療薬を承認しています。がん領域は、今なお新薬創出が活発な領域の一つです。


さらにIQVIAのGlobal Oncology Trends 2024では、世界のがん治療薬市場は2023年に2,230億ドル規模となり、2028年には4,090億ドルまで拡大すると予測されています。主要先進国市場には米国、EU4+英国、日本が含まれており、日本もこの大きな流れの中にあります。


つまり、少なくともデータ上は、
オンコロジー領域は縮小しているどころか、今も大きく伸びている領域だと言えます。
私自身も、何度も新製品・新適応を経験した
私自身、オンコロジーMRとして働く中で、ここ数年だけでもいくつもの新製品や新適応を経験しました。
新しい適応が出るたびに、覚えることが増えます。
試験デザイン。
主要評価項目。
患者背景。
サブグループ解析。
有害事象。
既存治療との位置づけ。
ガイドライン上の扱い。
院内レジメン登録。
診療科間の連携。
正直、大変です。
「また勉強か……」と思う瞬間もあります。
でも同時に、
医師から質問をいただく機会は明らかに増えたと感じています。
「このデータってどう解釈すればいいの?」
「この患者さんは対象になるの?」
「他施設ではどう運用しているの?」
「この副作用対応って、実際どうしてる?」
こういう質問をいただくたびに、
調べるのは大変だけど、MRとしての存在意義を感じます。
実際に、
「教えてくれてありがとう」
「来てくれて助かりました」
「この情報、ちょうど知りたかったんだよ」
と言っていただけることもあります。
これは、オンコロジーMRとして働く上で、かなり大きなやりがいです。
治療が複雑化しているからこそ、MRの価値が残る
今のがん治療は、かなり複雑です。
昔のように、
「このがんならこの薬」
という単純な時代ではありません。
バイオマーカー。
遺伝子変異。
PD-L1。
MSI。
HER2。
ALK。
EGFR。
BRAF。
NTRK。
TMB。
その他さまざまな検査。
がん種やステージだけではなく、
患者さんごとの腫瘍特性に応じて治療を選ぶ時代になっています。
NCIも、がん治療におけるバイオマーカー検査は、がんの遺伝子・タンパク質などを調べ、治療選択に役立てるものだと説明しています。また、分子標的治療は精密医療の基盤とされ、がん細胞の増殖や進展に関わる特定のタンパク質を標的にする治療です。
この流れは、オンコロジーMRの仕事にも大きく影響しています。
薬の特徴だけ知っていればよいわけではありません。
検査のタイミング。
検体量。
診断科との連携。
病理部門との連携。
治療導入までの院内フロー。
副作用マネジメント。
術前・術後治療の位置づけ。
再発時の治療選択。
ここまで理解して初めて、医師との会話が成立する場面も増えてきました。
だからこそ、オンコロジーMRにはまだ価値があると思っています。
いや、むしろ治療が複雑化しているからこそ、
MRが正確な情報を届ける意味は増していると感じます。
医師もすべてを追い切れるわけではない
日々、医師は本当に忙しいです。
外来。
病棟。
手術。
カンファレンス。
書類業務。
当直。
研究。
学会発表。
若手指導。
その中で、すべての新規データや適応追加を完璧に追い続けるのは、かなり大変です。
もちろん、医師は専門家です。
MRが偉そうに教えるような立場ではありません。
ただ、日々新しい情報が出続ける中で、
正確に整理された情報をタイムリーに届ける人には価値があります。
特にオンコロジーでは、情報の遅れが治療選択の遅れにつながる可能性もあります。
だからこそ、MRは単なる営業ではなく、
医師の情報整理を支える存在になれる余地があります。
ここに、オンコロジーMRの面白さがあります。
転職市場でもオンコロジー経験は強い
これはかなり現実的な話ですが、転職市場を見てもオンコロジー経験者の需要は高いと感じます。
求人を見ていると、
オンコロジー。
オンコロジー。
オンコロジー。
本当にオンコロジー関連の求人が多い。
もちろん求人はタイミングや会社によって変わります。
ただ、専門領域経験としてオンコロジーが評価されやすいのは、肌感覚としてかなりあります。
実際、私の周りでも、50歳前後で年収アップを伴って転職していった先輩MRがいます。
50歳ですよ。
普通に考えれば、転職市場ではかなり難しくなってくる年齢です。
それでもオンコロジー経験があることで、選択肢が生まれる。
これは、かなり大きいと思います。
ただし、オンコロジーMRなら何でも安泰ではない
ここは強く言っておきたいです。
オンコロジーMRだからといって、全員が安泰というわけではありません。
会社によります。
製品によります。
パイプラインによります。
担当領域によります。
たとえば、
新規適応がなかなか出ない。
競合品に押されている。
ガイドライン上の立ち位置が弱い。
バイオマーカーで対象患者が極端に少ない。
薬剤プロファイル上、広がりにくい。
会社としてオンコロジーへの投資意欲が弱い。
こういう状況だと、オンコロジーMRであってもかなり苦しいと思います。
逆に、パイプラインが強く、適応拡大が続き、KOLとの接点も多く、社内外で学ぶ機会がある会社なら、オンコロジーMRとしてかなり成長できます。
つまり大事なのは、
オンコロジーかどうかだけではなく、その会社・製品・パイプラインに将来性があるかです。
オンコロジーMRへの転職を考えるなら、ここは必ず見てほしい
もしこれからオンコロジーMRへの転職を考えるなら、私は次の点を必ず確認した方がいいと思います。
1. その会社のパイプラインは強いか
今売れている製品だけでなく、
今後どんな適応追加や新製品があるのか。
ここはかなり重要です。
今が良くても、数年後に話すことがなくなる可能性もあります。
2. 担当する製品は成長フェーズか
ローンチ前なのか。
ローンチ直後なのか。
適応拡大フェーズなのか。
成熟期なのか。
競合に押されているのか。
同じオンコロジーでも、担当製品のフェーズで仕事の面白さは全然違います。
3. 教育体制はあるか
未経験でオンコロジーに入る場合、教育体制はかなり大事です。
オンコロジーは、勢いだけで乗り切れる領域ではありません。
疾患知識。
試験デザイン。
安全性情報。
ガイドライン。
医療機関内の治療フロー。
このあたりを学ぶ環境があるかどうかは、入社後の成長に大きく関わります。
私の時は数週間ホテルに閉じ込められて必死に勉強してました。
4. KOLや大学病院に関われるか
オンコロジーMRとして成長するなら、やはり専門医や大学病院、がん拠点病院との関わりは大きいです。
もちろん、最初から大きな施設を担当できるとは限りません。
ただ、将来的にそうした施設に関われる可能性があるかは見ておきたいところです。
5. その会社がオンコロジーに本気か
これも重要です。
会社としてオンコロジーを本気で育てたいのか。
それとも、一部製品を持っているだけなのか。
この差は、現場で働いているとかなり感じます。
オンコロジーは情報量も多く、社内支援も必要です。
マーケティング。
メディカル。
MSL。
学術。
安全性部門。
研修体制。
こうしたサポートがある会社の方が、MRとしての成長もしやすいと思います。
オンコロジーMRは確かに大変。でも、得られるものも大きい
オンコロジーMRは楽ではありません。
勉強量は多いです。
医師の質問も鋭いです。
講演会や学会対応も多いです。
院内フローに入り込む必要もあります。
副作用マネジメントや適正使用への責任感も重いです。
でも、その分、得られるものも大きいです。
専門性。
市場価値。
医師との深い会話。
講演会企画力。
論文を読む力。
社内外を巻き込む力。
治療全体を俯瞰する力。
これらは、どの会社に行っても使える力になります。
私自身、オンコロジーMRになってから、明らかに仕事の見え方が変わりました。
単に製品を紹介するだけではなく、
治療全体の中で、自分がどこに価値を出せるかを考えるようになりました。
これは大きな変化でした。
まとめ:オンコMRはオワコンではない。ただし、会社選びは超重要
オンコロジーMRは、全然オワコンではありません。
むしろ、がん領域は今も新薬・新適応・バイオマーカー・個別化医療の進展によって、情報のアップデートが非常に速い領域です。
だからこそ、MRにも専門性が求められます。
そして専門性が求められるからこそ、
オンコロジーMRの市場価値はまだ高いと私は感じています。
ただし、オンコロジーなら何でもいいわけではありません。
会社のパイプライン。
製品の将来性。
教育体制。
担当施設。
社内支援。
オンコロジーへの本気度。
ここを見誤ると、オンコロジーMRでも苦しくなります。
もし転職を考えるなら、表面的な求人票だけで判断しない方がいいです。
できれば、オンコロジー領域に強いエージェントや、実際にその会社で働く人の情報を通じて、将来性をしっかり確認してほしい。


オンコロジーMRは大変です。
でも、ちゃんと環境を選べば、
これほど成長できる領域もなかなかないと思います。
少なくとも私は、オンコロジーMRになってよかったです。
大変だけど、面白い。
それが、6年やってきた私の正直な感想です。
では、また!








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