こんにちは、かずMRです!!
MRとして働いていると、一度は耳にするのが、
「希少疾患MRは年収が高いらしい」
という話です。
オーファン領域。
希少疾患領域。
KAMポジション。
広域担当。
患者発掘や診断導線づくり。
こうした言葉を見ると、現役MRとしてはどうしても気になります。
さらに求人によっては、外資系企業、オーファン専門企業、バイオベンチャー、日本市場立ち上げ案件などが重なることで、年収が大きく上振れするケースもあるようです。
ただ、ここで整理しておきたいのは、
希少疾患MR=バイオベンチャーMR
ではないということです。
希少疾患MRは、あくまで希少疾患領域を担当するMRのこと。
その希少疾患MRが、メガファーマにいる場合もあれば、外資系企業、オーファン専門メーカー、バイオベンチャー、立ち上げフェーズの会社にいる場合もあります。
この記事では、まず「希少疾患MRという仕事の年収が高くなりやすい理由」を整理し、そのうえで、会社フェーズや報酬制度によって年収が上振れするケースにも触れていきます。

確かにずっと謎だった…



謎がついに明かされる!
(謎ではなく無知なだけでは…)
結論:希少疾患MRは「高年収を狙いやすい領域」ではある
最初に結論から書きます。
希少疾患MRは、たしかに
高年収を狙いやすい領域の一つ
だと思います。
ただし、
「希少疾患MR=全員が高年収」ではない
というのも大事なポイントです。
ここはかなり誤解されやすいところです。
求人や転職市場の情報を見ると、希少疾患領域では、プレイヤー職でもかなり高い年収帯の案件が見られます。
特に、
- 外資系
- バイオベンチャー
- 立ち上げ案件
- KAMポジション
- RSU付き
このあたりの条件が重なると、年収はかなり上振れしやすいようです。
一方で、これはあくまで
- 経験
- 実績
- 会社フェーズ
- 領域特性
- 報酬制度
が重なった結果です。
つまり、正確には
「希少疾患領域には、高年収になりやすい構造がある」
と考えるのが自然だと思います。
そもそも希少疾患MR・オーファンMRとは?
希少疾患MRとは、患者数の少ない希少疾患領域を担当するMRです。
オーファンMRと呼ばれることもあります。
一般的なプライマリー領域とは違い、担当する医師や施設はかなり限られます。
その分、
- 専門医
- 大学病院
- 基幹病院
- 診断に関わる医師
- 患者紹介元の医療機関
などに対して、かなり戦略的に動く必要があります。
場合によっては、1人のMRが数県単位の広域を担当することもあります。
つまり、希少疾患MRは「営業」というより、
少数精鋭で市場を作るポジションで営業兼マーケ的な感じです。
ここが、年収が高くなりやすい理由とも深くつながっています。
希少疾患MRの年収が高くなりやすい5つの理由
ここからが本題です。
調べてみて、希少疾患MRの高年収には、主に5つの理由があると感じました。
① 制度的に支えられた領域だから
まず1つ目は、制度です。
希少疾患の薬は、患者数が少ないため、普通に考えれば市場規模は大きくありません。
それでも企業が参入するのは、国の制度的な後押しがあるからです。
たとえば、希少疾病用医薬品には、
- 優先審査
- 再審査期間の延長
- 薬価面での一定の評価
など、開発・上市を後押しする仕組みがあります。
つまり、
「患者数が少ないから開発されない」
という状況を避けるために、制度的な支援が用意されているわけです。
もちろん、
希少疾患薬だから絶対に安泰
ではありません。
薬価改定の影響もありますし、制度の見直しリスクもあります。
ただ、それでも希少疾患領域は、
企業にとって収益予見性を持ちやすい領域
であることは確かだと思います。
これが、高年収の土台の一つになっています。
② 少数精鋭の営業組織になりやすいから
2つ目は、営業組織の構造です。
ここはかなり大きいです。
プライマリー領域では、多くのMRを全国に配置して、広く医療機関をカバーするモデルが主流でした。
一方で、希少疾患領域は患者数が少ないため、見るべき施設や医師もかなり絞られます。
その結果、
大人数で広く回る営業
ではなく、
少数精鋭で重要施設を押さえる営業
になりやすいです。
これは会社からすると、とても合理的です。
全国に何百人も配置する必要はない。
その代わり、少人数の精鋭に高い役割を担ってもらう。
つまり、
- 担当エリアは広い
- 責任は重い
- 専門性も必要
- 自走力も必要
という世界になります。
だからこそ、1人あたりの報酬も高くなりやすい。
言い換えると、
「人数を絞る代わりに、1人あたりに高い価値を求める」
というモデルです。
③ 仕事の中身が「市場開拓」に近いから
3つ目は、仕事内容です。
ここは僕自身、調べていてかなり納得感がありました。
希少疾患MRは、単に薬の情報提供をするだけではありません。
むしろ重要なのは、
患者さんが診断されるまでの流れを作ること
です。
希少疾患では、
- 患者さんがいても診断されない
- 疾患が疑われない
- 検査につながらない
- 専門医に紹介されない
ということが起こります。
だから希少疾患MRには、
- 疾患啓発
- 診断基準の浸透
- 検査導線づくり
- 地域連携
- 専門医への紹介ルートの整備
といった役割が求められます。
これは既存市場でシェアを取り合う営業とは少し違います。
どちらかというと、
ゼロから市場を作る仕事
に近い。
このマーケティング目線を併せ持つ難しさが、年収の高さにつながっているのだと思います。
④ 経験者が少なく、人材価値が高いから
4つ目は、人材の希少性です。
求人情報を見ると、希少疾患MRに求められる条件はかなり高いことがあります。
たとえば、
- MR経験10年以上
- 大学病院担当経験
- KOL対応経験
- スペシャリティ領域経験
- バイオ医薬品経験
- 広域担当経験
- 英語力
- 立ち上げ経験
などです。
つまり、誰でも簡単に入れる領域ではありません。
会社としても、
教育して育てる
というより、
すぐ動ける人材を採りたい
わけです。
でも、そういう人材は市場に多くありません。
だからこそ、給与を上げてでも取りにいく。
これはシンプルな話で、
できる人が少ない仕事ほど、高く評価される
ということです。
⑤ 事業インパクトが大きく、採用競争が起きやすいから
5つ目は、採用競争です。
希少疾患領域は、担当する患者数や施設数は限られていても、企業にとっては非常に重要な領域になることがあります。
患者数が少ないからこそ、一人ひとりの患者さんに適切に治療が届く意味は大きいですし、診断から治療までの導線を整えることが、製品価値にも直結します。
そのため企業としては、単に製品説明ができるMRではなく、
専門医と深く会話できる人
大学病院や基幹病院を動かせる人
疾患啓発や診断導線づくりを考えられる人
広域を自走できる人
KOL対応ができる人
を求めやすくなります。
しかし、こうした経験を持つMRは多くありません。
結果として、経験者を採用するために給与水準が高くなりやすい。
つまり希少疾患MRの高年収は、
領域の専門性
担当範囲の広さ
市場づくりの難しさ
経験者の少なさ
が重なった結果だと考えると、かなり自然です。
RSUって何?年収が跳ねる理由の一つ
希少疾患MRや外資系バイオベンチャーの求人を見ていると、たまに出てくるのがRSUです。
僕も最初は、
「RSUって何?」
という感じでした。
ざっくり言うと、RSUは
一定の条件を満たすと会社の株式を受け取れる報酬制度
です。
求人票に
年収+インセンティブ+RSU
のように書かれている場合、現金の年収に加えて、株式報酬が上乗せされる可能性があります。
これが年収を大きく見せる理由の一つです。
ただし、ここもかなり注意が必要です。
たとえば、
- 一度もらったら終わりなのか
- 毎年付与されるのか
- いつ自分のものになるのか
- 株価が下がったらどうなるのか
- 退職したらどうなるのか
このあたりは会社によって条件が違います。
つまり、
「RSU込みで年収1,500万円」
と聞いても、
それをそのまま現金年収と同じように見るのは危険です。
中にはRSUで大きな資産を築いた人もいるようですが、一方で株価次第では想定より価値が下がることもあります。
このテーマはかなり奥が深いので、
「製薬会社のRSUとは何か?」
は、こちらの別記事で超詳しく書いてます。


オンコロジーMRの経験は希少疾患MRでも通用するのか?
これは、僕自身かなり気になっていたポイントです。
調べていて感じたのは、
オンコロジーMRの経験は、意外と希少疾患領域でも通用する部分があるのではないか
ということです。
オンコロジー領域でも、いわゆるレアキャンサーを担当することがあります。
患者数が限られている。
専門医が限られている。
診療科横断の連携が必要になる。
エビデンスを理解し、KOLと会話する必要がある。
こうした点は、希少疾患領域とかなり近い部分があります。
またオンコロジーMRは、
- KOL対応
- 講演会企画
- レジメン申請
- 多職種連携
- 院内導線づくり
など、希少疾患MRに必要とされている仕事をしていることも多いです。
そう考えると、オンコロジーMRの経験は、希少疾患領域でも一定の武器になる可能性がある。
これは素直に感じました。
希少疾患MRに行きたいのか?
ここまで調べてみて、正直かなり考えさせられました。
最初は、希少疾患MRやオーファン領域の高年収にかなり興味がありました。
Xで見かける羽振りの良さ。
年収1,500万円、2,000万円という話。
RSUで資産を築いたという話。
そういうものを見ると、現役MRとしてはどうしても気になります。
でも、調べていくうちに少し冷静になりました。
たしかに希少疾患MRは魅力的です。
高年収を狙える可能性がある。
市場開拓の面白さがある。
少数精鋭で裁量が大きい。
オンコロジーMRの経験も活きる可能性がある。
一方で、求められる役割もかなり大きそうです。
患者さんを見つけるための診断導線づくり。
専門医や基幹病院との関係構築。
広域を担当する自走力。
疾患啓発や市場づくりに近い動き。
単に「高年収でうらやましい」というだけでは見えていなかった難しさも、かなりあるのだと思いました。
そして同時に、今の会社でオンコロジーMRとして働けていることも、実はかなり恵まれているのかもしれないと感じました。
大学病院や基幹病院を担当し、KOL対応や講演会企画、レジメン申請、院内導線づくりに関わる。
そうした経験は、普段は当たり前のように感じてしまいます。
でも、外の市場から見れば、それも一つの専門性なのかもしれません。
もしかすると僕は、希少疾患MRに本気で行きたいというより、
高年収や新しい環境に少し刺激を感じていただけなのかもしれない。
今の環境でオンコロジーMRとして専門性を磨いていくことにも、十分価値がある。
今回調べてみて、そんなことも感じました。
ただ、それでも外の世界を知ることには大きな意味があります。
なぜなら、
今の環境の良さ
自分の市場価値
今後の選択肢
が見えてくるからです。
転職するかどうかは別です。
でも、自分がどんな選択肢を持っているのかを知っておくことは、現役MRとしてかなり大事だと思いました。
今すぐ転職しなくても、情報収集だけはしておく価値がある
ここで僕が伝えたいのは、
「今すぐ希少疾患MRに転職しよう」
ではありません。
そうではなくて、
「そういう選択肢があることを知って、自分の市場価値を見ておこう」
ということです。
特に希少疾患領域やバイオベンチャーの求人は、一般の求人サイトに大量に出るタイプではありません。
むしろ、
- 非公開求人
- 立ち上げ案件
- 水面下で進む採用
が多い世界です。
だからこそ、
- 自分の経験でどんな求人が届くのか
- オンコロジー経験はどう評価されるのか
- 年収レンジはどのくらいなのか
- 足りないスキルは何なのか
このあたりを知っておく意味はかなり大きいです。
転職するかどうかは、その後で考えればいい。
でも、情報を持っているMRと、持っていないMRでは、キャリアの見え方がかなり違ってくると思います。


まとめ|希少疾患MRの高年収は「構造」で説明できる
希少疾患MRの年収が高くなりやすい理由は、単純に「楽に稼げるから」ではありません。
僕なりに整理すると、主な理由は以下の5つです。
- 制度的な後押しがある
- 少数精鋭の営業組織になりやすい
- 患者発掘・診断導線づくりまで求められる
- 経験者が少なく、人材価値が高い
- 外資・立ち上げ・バイオベンチャーのリスクプレミアムがある
つまり、希少疾患MRの高年収は、構造的にそうなりやすいということです。
ただし、それは決して「楽して稼げる世界」という意味ではありません。
むしろ、
少数精鋭で市場を作る難しさに対する報酬
と考えた方が、しっくりきます。
僕自身、今回調べてみて少し見方が変わりました。
高年収はたしかにうらやましい。
でも、今の会社でオンコロジーMRとして働けていることも、かなり恵まれているのかもしれない。
そう感じました。
だからこの記事で伝えたいのは、
「希少疾患MRに転職すべき」
ということではありません。
「希少疾患MRという選択肢を知ったうえで、自分のキャリアを冷静に見直してみよう」
ということです。
今すぐ転職しなくてもいいと思います。
ただ、外の市場を知っておくことは、キャリアの守りにも攻めにもなります。
特に希少疾患領域やバイオベンチャーの求人は、非公開で動くことも多いです。
「自分の経験が外ではどのくらい評価されるのか」
「今のキャリアにどんな選択肢があるのか」
を知っておくだけでも、今後の判断材料になります。
MR向けの転職サイト・エージェントについては、こちらの記事で詳しくまとめています。
関連記事:
オンコロジーMR向け転職サイトランキング|現役MRが実際に使って比較
では、また!!








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