こんにちは、かずMRです!!
転職活動をしていて、最近ちょっと意外だったことがあります。
それが、
「今の会社でもらっている住宅補助って、思っていた以上にスゴいのでは?」
ということ。
製薬会社でMRをしていると、住宅手当や借上社宅など、いわゆる「住宅補助」は割と身近な存在です。
自分もこれまで「ありがたい制度だな」くらいには思っていました。
ただ正直、
これが年収にすると、どれくらいの価値なのか?
なんて考えたことはありませんでした。
それが転職エージェントとの面談をきっかけに、初めてちゃんと考えることになります。
きっかけは転職エージェントとの面談
こんなことをふと考えたきっかけは、先日の転職エージェントとの面談です。(その時の記事はこちらです▼)

これまでの経験や実績、希望する仕事内容などを話して、当然ながら現在の年収についても聞かれます。
そこで話に出てきたのが、
「住宅手当や福利厚生も含めて、現在の収入を教えてください」
という話でした。
これは言われてみれば当然なんですが、自分の中で、
「あれ?住宅手当って収入として考えるといくらの価値になるんだ?」
と思ったわけです。
求人票を見ていると、
「年収1,100万円」
「年収1,200万円」
みたいな数字が目に入ってきます。
そうすると単純に、
「今より100万円上がるな」
「200万円上がるなら転職してもいいかも」
と考えてしまいます。
でも、そこで住宅補助まで含めて考えてみたら、
あれ?俺、こんなにもらってる判定になるの?
となりました。
家賃15万円、会社8割負担なら年間144万円
例えば、こんな条件で考えてみます。
- 家賃:15万円/月
- 会社負担:80%
- 自己負担:20%
※製薬会社、とくに全国転勤を伴うMRでは、家賃の7〜8割程度を会社が負担する借上社宅制度も珍しくありません。
この場合、自分が払う家賃は月3万円。
残りの12万円を会社が負担していることになります。
12万円 × 12カ月 = 年間144万円
年間144万円。
こうして数字にすると、かなり大きい。
住宅補助がなくなり、同じ家に住み続けるとすれば、年間180万円を自分で払うことになります。
今まで年間36万円で済んでいたものが180万円になる。
つまり、家計としては年間144万円の負担増です。
しかも「144万円年収アップ」で同じにはならない
ここでさらに気になりました。
だったら住宅補助がなくなる代わりに、

「年収を144万円上げてもらえば同じじゃない?」
と思いますよね。
でも、これも違います。
給与として144万円増えれば、その金額がそのまま手元に残るわけではありません。
所得税、住民税、社会保険料などがかかります。
つまり、住宅補助がなくなって増える年間144万円の実支出を給与だけで取り戻そうとすれば、額面年収は144万円以上増えないと釣り合わないことになります。
かなり単純化して、追加でもらった給与のうち手元に残る割合で計算すると、
| 追加給与の手取り割合(仮定) | 手取り144万円を得るために必要な額面 |
|---|---|
| 65% | 約222万円 |
| 60% | 240万円 |
| 55% | 約262万円 |
となります。
もちろん、これはあくまでイメージです。
実際の手取りは年収、家族構成、所得控除、加入している健康保険、賞与の割合などによって変わります。
なので、
「家賃8割補助は絶対に年収240万円分の価値がある」
とまで言うつもりはありません。
ただ少なくとも、
年間144万円の住宅メリットを失うのであれば、年収144万円アップでは埋まらない可能性が高い。
これは転職活動をするまで、まったく意識していませんでした。
年収1,000万円から1,200万円に上がっても得とは限らない?
例えば、
A社
年収1,000万円
家賃15万円
会社80%負担
B社
年収1,200万円
住宅補助なし
という2社があったとします。
求人票だけ見れば、B社の方が200万円高い。
かなり魅力的に見えます。
でもA社では年間144万円分の家賃を会社が負担しています。
一方、B社の「年収+200万円」は、その200万円が丸ごと手取りになるわけではありません。
そう考えると、
年収200万円アップ=待遇200万円アップ
ではない。
これ、転職するときには結構重要なポイントだと思います。
自分も転職活動を始めた当初は、ここまで考えていませんでした。
そもそも製薬会社の住宅補助は今も手厚いのか?
ここまで考えて、もう一つ疑問が出てきました。



そもそも製薬会社って、今も住宅補助が手厚い業界なのか?
そこで、主要製薬会社の採用情報をいくつか調べてみました。会社負担率や家賃上限などを一般公開していない企業も多いため、ここでは「公開情報から確認できる住宅支援」をまとめています。
| 企業 | 公式情報で確認できる住宅支援 | 公開されている内容 |
|---|---|---|
| 武田薬品工業 | 借家補助・独身寮・社宅 | 借家補助費に加え、社有・借上独身寮、社有・借上社宅を明記。借上社宅は標準的な家族向け物件等 |
| アステラス製薬 | 社宅制度 | 福利厚生として社宅制度を明記。負担率などの詳細は公開情報では確認できず |
| 第一三共 | 住宅手当・借上社宅 | 住宅支援制度として「借り上げ社宅制度、住宅手当」を明記 |
| エーザイ | 住宅手当 | 2027年新卒MR募集で住宅手当5万円/月を給与内訳として明記 |
| MSD | 住宅手当・借上社宅 | 住宅手当あり。MRは会社都合による転居の場合、借上社宅を提供 |
| ファイザー | 住宅手当・借上社宅 | MRの待遇・福利厚生として住宅手当、借上社宅制度を明記 |
| ノバルティス | 住宅手当・社宅 | MR職を含む新卒採用情報で住宅手当、福利厚生として社宅を明記 |
こうして調べてみると、大手製薬会社では今でも住宅手当や社宅制度がかなり残っています。
一方で、今回調べて意外だったのが、「住宅制度があります」というところまでは公開されていても、実際に家賃の何%を会社が負担してくれるのかは公開されていない会社が多いこと。
自分も製薬会社で働いていると、住宅補助は「あるのが普通」くらいに思っていました。
世の中全体を見ると少し景色が変わります。
2026年の労働政策研究・研修機構の調査では、「家賃補助や住宅手当の支給」が勤務先にあると回答した人は25.4%でした。



世間では少数派なんですね
MRを長くやっていると住宅支援が「普通」に感じてしまいますが、少なくとも世の中全体では、必ずしも当たり前の制度ではないようです。
でも転職活動をして、自分が実際に受けている補助を金額にしてみると、その見方がかなり変わりました。
製薬会社にいると「住宅補助が普通」になってしまう
今回調べていて感じたのがこれです。
製薬会社に長くいると、住宅補助が当たり前になってしまう。
でも世の中全体で見ると、住宅手当がある会社ばかりではありません。
つまり、
自分たちが思っている以上に、製薬会社の福利厚生は恵まれている可能性がある。
特にMRの場合、
- 住宅補助
- 借上社宅
- 営業車
- 日当
- 転勤時の引越し費用
など、給与明細の「年収」だけでは見えない待遇が結構あります。
これらを全部無視して転職先の年収だけを見ると、比較を間違える可能性があります。
「住宅手当」と「借上社宅」は同じではない
今回調べていて、もう一つ知ったことがあります。
それが、
住宅手当と借上社宅は、税金上の扱いも同じではない
ということ。
現金で支給される住宅手当は、基本的には給与として扱われます。
一方で、会社が住宅を借りて社員に貸す借上社宅の場合、一定の条件を満たせば、会社負担額のすべてがそのまま給与として課税されるわけではありません。
つまり、
「月5万円の住宅手当」と「会社が月5万円分家賃を負担する借上社宅」は、同じ5万円とは限らない
ということです。
ここも、自分は今回調べるまでほとんど意識していませんでした。
そして、ここまで計算していてもう一つ思ったことがあります。



「あれ?これ、家を買うタイミングもかなり重要なのでは?」
ということ。
もし持ち家を購入したことで借上社宅の対象から外れ、先ほどの例から年間144万円の会社負担がなくなるとしたら、そのインパクトはかなり大きい。
例えば持ち家になった後に月3万円の住宅手当が出る会社だったとしても、
借上社宅:年間144万円相当
持ち家の住宅手当:3万円 × 12カ月 = 年間36万円
単純な金額差だけでも、
144万円 − 36万円 = 年間108万円
になります。



持ち家になると年間108万円もDOWN!!
しかも住宅手当は給与として扱われるので、年間36万円がそのまま手元に残るわけではありません。
借上社宅と持ち家向け住宅手当では税金の扱いも違います。
借上社宅は一定条件を満たせば会社負担分が給与課税されない一方、現金でもらう住宅手当は原則として給与扱いです。
つまり、借上社宅をやめて持ち家にすると「会社負担額が減る」だけでなく、残った住宅手当にも税金がかかる可能性があります。
「あれ?これ、家を買った瞬間に思っている以上に実質待遇が下がるのでは?」
そう考えると、
「家を買えば住宅ローンを払うだけ」ではなく、「今まで会社が負担してくれていた住宅費を失う」という視点も必要
なんだと気づきました。
もちろん、持ち家は賃貸と違って住宅ローン返済の一部が自分の資産になりますし、住宅ローン控除などもあります。
なので、単純に「家を買う=損」とは言えません。
ただ、借上社宅がかなり手厚い会社にいる場合は、
物件価格や住宅ローンだけでなく、「家を買った瞬間に失う福利厚生はいくらか」も含めて考えた方がいい。
今回調べていて、これは結構大きな気づきでした。
転職だけではなく、家を買うタイミングも思っていた以上に重要なのかもしれません。
住宅補助は全国転勤とセットだったのかもしれない
そもそも、なぜMRは住宅制度が手厚いのでしょうか。
これは各社が明確にそう説明しているわけではないので、自分なりの考えも入ります。
ただ、MRという仕事が長い間、
全国転勤あり
を前提としてきたこととは無関係ではないと思っています。
会社都合で全国どこにでも異動する可能性がある。
その代わり、住居については会社がある程度サポートする。
そう考えると住宅補助や借上社宅は、単なる「お得な福利厚生」というより、
全国転勤という働き方の対価の一つ
とも言えるのかもしれません。
最近では勤務地を限定できる制度を導入する製薬会社も出てきています。
ただし、勤務地限定を選択した場合の給与・住宅制度・手当の扱いは企業によって異なるため、転職時には確認が必要です。
転職で見るべきなのは「年収」だけではなかった
今回、転職活動をしてみて一番変わったのは、求人票の見方です。
以前はどうしても、
年収はいくらか。
というところに目が行っていました。
でも本当に比較するのであれば、
- 基本給
- 賞与・インセンティブ
- 住宅補助・借上社宅
- 退職金・企業年金
- RSUなどの株式報酬
- 日当・営業手当
- 営業車
- 勤務地
- 転勤条件
このあたりまで含めて考える必要があります。
もちろん、お金がすべてではありません。
やりたい仕事ができる。
新しい経験が積める。
勤務地を固定できる。
家族との時間が増える。
年収では測れない価値もあります。
むしろ転職では、そこも大事だと思います。
ただ、
「年収が100万円上がるから、今より待遇が良くなる」
と単純には考えない方がいい。
これは今回かなり勉強になりました。
転職活動をしたから、今の会社の良さにも気づけた
転職活動というと、
「今の会社が嫌だから辞める」
みたいなイメージもあります。
でも実際に外の会社を見てみると、逆に今の会社の良さに気づくこともあります。
自分にとって、その一つが住宅補助でした。
毎月の給与明細に「住宅補助12万円」と現金で入ってくるわけではないので、普段はなかなか実感しません。
でも実際には、毎月の生活費をかなり下げてくれている。
それを転職先の年収と比べるようになって初めて、
「俺、こんなにもらってる判定になるの?」
と気づきました。
今の会社に残るにしても、転職するにしても、
自分が今受け取っている待遇を一度全部金額にしてみる。
これは一度やってみる価値があると思います。
少なくとも自分は、求人票を見る目がかなり変わりました。
ではまた!
参考情報
国税庁「使用人に社宅や寮などを貸したとき」
労働政策研究・研修機構「福利厚生に関する労働者調査」
各製薬会社公式採用サイト
※住宅制度の有無や適用条件、会社負担額などは企業・職種・勤務地・入社時期によって異なります。転職時には各企業または転職エージェントへ最新情報をご確認ください。また、税・社会保険に関する記載は一般的な制度をもとにした内容です。












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